型(かた)づくりは張り子の”原点”でとてもたいせつです。
石のように硬くなる”木の石”粘土や紙粘土等つかっています。
手漉きの”桑ちり紙”は、別名「桑皮紙(そうひし)」ともよびます。お蚕さんがたべるのは桑の葉っぱ。その木の皮と楮やトロロアオイなどで作られている桑ちり紙と新聞紙などを、型に水張りしてゆきます。
つぎに、昔ながらの”でんぷん糊”で、一枚一枚、
桑ちり紙や新聞紙などを手しごとで張りつけてゆきます。
太陽と風。”自然のちから”で乾かします。
ドライヤーやストーブで乾かすと張った紙が
硬くごわごわになり、中の型(かた)を壊してしまいます。
張った紙が乾いたら、型に刃物をいれます。
竹へらで”浮かし”ながら型を抜いてゆきます。
さらに、裂けた部分を張り合わせる”修復”という作業の後、
もういちど天日干しをおこないます。
“胡粉”(ごふん)はホタテ、カキ、アサリなど”自然の貝殻”を
細かく砕き、焼いて、粉にしたものです。
お湯をすこしずつ注ぎ、何度とこねてゆきます。
“膠”(にかわ)はひと昔前まで建具などを接着した材料です。
動物の骨と骨の間にある髄液で、昔は鹿や馬もつかわれました。現在は牛が主です。湯銭して、ほどよい膠をつくります。
煮たてた膠を、つくった胡粉液にすこしずついれ、練ってゆきます。この作業をくりかえし、下地となる白地を作ります。
”季節にあわせて”注意深くおこなわないと「ひびや気泡」が生じ、やりなおし。
『胡粉は初練りで決まる。』
昔から伝わる人形師の言葉で、繊細で難しい熟練の作業です。
できた白地を招き猫の全体に、刷毛で手速く塗ってゆきます。
お湯で下地をのばし、綺麗に仕上げます。
何層も塗り重ねる場合もあります。
下地である白地を塗った後、天日干しをします。
天気次第で、室内干し、陰干し。
絵具で絵付けをおこないます。
絵師のしごとで腕の見せ所です。
お天気に左右されながら、ひとつひとつ丁寧に作りあげます。
1~2週間ほどかかって出来あがります。